はぐまね
supported by母子モ
ライフプラン

公開日:2026年8月12日

更新日:2026年8月12日

働くママ・パパが知っておきたい国の支援制度と申請タイミング

監修:森重 幹斗

アフィリエイテッド ファイナンシャル プランナー

働くママ・パパが知っておきたい国の支援制度と申請タイミング

「妊娠から育児でもらえる国の制度と申請スケジュール」シリーズの第3弾は、働くママ・パパ編です。

仕事を続けながら出産・育児を経験するとなると、「働けない間の収入はどうなるの?」と不安になりますよね。実は、育児のために使えるお金の制度や、保険料の負担が軽くなる制度がいくつもあります。

この記事では、「こんな制度があるんだ」とまず知っていただくことを目的に、働くママ・パパが使える制度をまとめて紹介します。

特にお伝えしたいのは、2025年以降に新しくできた制度です。まだ知らない方はぜひチェックしてみてください。

ママ・パパがそろって育休を取ると、給付金が上乗せされます(ひとり親の家庭など、ママかパパだけの育休でも対象になることがあります)。育休中の収入減をやわらげる支援が手厚くなりました。
育休から復帰して時短勤務で給料が下がったときにも、給付金を受け取れます(2025年4月から)。
フリーランス・自営業・無職の方も、育児期間中の保険料が免除されるようになります(2026年10月から始まる予定)。

すべてを完璧に理解する必要はありません。「気になるものがあったら、あとで調べてみよう」くらいの気持ちで読んでみてください。

1. まず確認:あなたの働き方は?

紹介する制度は、働き方によって使えるものが変わります。まずは、自分がどちらにあてはまるかを確認しておきましょう。

会社員・公務員:勤め先で雇用保険・社会保険(健康保険・厚生年金)に加入している方
フリーランス・自営業・無職の方:国民年金・国民健康保険に加入している方

パート・アルバイトの方へ

パート・アルバイトの方も、勤務条件を満たして雇用保険に加入していれば育児休業給付金など雇用保険をもとにした制度の対象になります。雇用保険の加入条件は、次の2つの両方を満たすことです。

・1週間の所定労働時間が20時間以上であること
・31日以上の雇用が見込まれること

この条件を満たさない働き方の場合は、育児休業給付金など雇用保険をもとにした制度の対象外になります。自分が加入しているかどうかは、給与明細に「雇用保険料」の天引きがあるか、勤め先の担当者に確認してみましょう。

※雇用保険の被保険者になる条件は、厚生労働省「雇用保険の被保険者について(PDF)」で確認できます。

2. 産休・育休でもらえるお金

出産手当金

出産のために産休を取り、その間の給料が出なかったときに、健康保険から受け取れるお金です。

対象:勤め先の健康保険(協会けんぽ・健康保険組合など)に加入している女性(本人が被保険者であること)
対象期間:出産日以前42日(多胎妊娠は98日)から、出産日の翌日以降56日までのうち、会社を休んで給料が支払われなかった期間
金額の目安:1日あたり「支給開始日前の12か月間の標準報酬月額の平均 ÷ 30 × 3分の2(約67%)」

たとえば標準報酬月額の平均が20万円の場合、20万円÷30=約6,670円、これに3分の2をかけて1日あたり約4,447円です。産前42日・産後56日の計98日間休むと、合計で約43万6,000円になります(実際の金額は休んだ日数などによって変わります)。

申請するのは自分(本人)です。産休のあとに申請書を記入し、医師・助産師の証明と、勤め先(会社)の証明をもらって、加入している健康保険(協会けんぽや健康保険組合)へ提出します。提出は、会社がまとめて出してくれる場合もあれば、自分で郵送する場合もあります。

【ここに注意】出産手当金は健康保険の被保険者向けの制度です。フリーランス・自営業・無職の方などが加入する国民健康保険には、原則としてこの制度はありません。働き方によって受け取れる・受け取れないが分かれる点を知っておきましょう。

※支給開始日以前の期間が12か月に満たない場合など金額の正確な計算方法は、全国健康保険協会(協会けんぽ)「出産手当金」で確認できます。

育児休業給付金

育休を取って給料が出ない(または減る)とき、雇用保険から受け取れるお金です。育休中の家計を支える中心的な制度です。

金額の目安:休業開始前の賃金の67%(育休開始から180日目まで)、その後は50%
・支給額には上限・下限があります
対象:原則として、1歳に満たない子を養育する男女の労働者(雇用保険の加入者)

会社員だけでなく、条件を満たすパート・アルバイトの方も対象です。申請は、勤め先(会社)を通じてハローワークへ行うのが基本的な流れです。

※支給の条件や上限・下限額など、くわしい内容は厚生労働省「育児休業(育児休業制度特設サイト)」で確認できます。

育児時短就業給付金

こちらは2025年4月から始まった制度です。育休から復帰したあと、2歳未満の子どもを育てながら時短勤務をして給料が下がったときに、時短中の賃金の10%が支給されます。

対象:2歳未満の子を養育するために時短勤務をする男女の労働者(雇用保険の加入者)

ただし、この制度は勤め先(会社)を通じて手続きする制度です。詳しい条件や金額は会社の対応によって変わるため、「こういう制度がある」と知ったうえで、人事・総務の担当者に確認してみましょう

※対象となる子の年齢や支給額のくわしい条件は、厚生労働省「育児休業等給付について」でチェックしてみてください。

3. パパのもらえる給付金

これまで紹介した育児休業給付金や、このあと紹介する社会保険料の免除・年金の制度も、パパはもちろん使えます。ここでは、パパだからこそ使える制度を紹介します。

パパは子どもの出生後8週間以内に、産後パパ育休(出生時育児休業)という休業を取ることができます。この休業を取ると、育児休業給付金とは別の「出生時育児休業給付金」(育児休業給付金と同じく、休業前の賃金の67%)を受け取れます。

さらに、2025年4月から「出生後休業支援給付金」という制度が始まりました。両親がともに14日以上の育休を取ると、休業前の賃金の13%(最大28日分)が、育児休業給付金や出生時育児休業給付金に上乗せされます。もともとの給付率67%と合わせると80%。さらに育休中の社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)の免除も含めると、手取りでは休業前とほぼ変わらない約100%の水準になると、厚生労働省の資料では説明されています。

「パパが育休を取ると収入がガクッと減るのでは」という不安が、以前より小さくなった制度です。ママ・パパそろっての育休を検討する材料になります。

※制度のくわしい内容や、自分の立場に合わせて読める「ママ編」「パパ編」のパンフレットは、厚生労働省「育児休業等給付について」で確認できます(ママ編・パパ編は別々に用意されています)。

4. 子育て中の保険料をおさえ、将来の年金も守る制度

育児期間中は、収入が減ったり止まったりします。そんなときに「保険料の負担を軽くする」「将来の年金額を守る」ための制度があります。ここでは、加入している年金の種類ごとに整理します。

会社員・公務員向け(厚生年金)

会社員・公務員向けの制度は、勤め先を通じて手続きするものが中心です。ここでは「こういうものがある」という概要だけ紹介します。

育休中の社会保険料の免除

育休を取っている間は、社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)が本人・会社の両方とも免除されます。しかも、免除された期間も年金の加入期間としてカウントされるため、将来の年金額が減る心配はありません。

養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置(養育期間の標準報酬月額の特例)

厚生年金は、納めた保険料(給料に応じた標準報酬月額)に比例して将来の年金額が決まります。そのため、育休から復帰して時短勤務などで給料が下がると、それに合わせて将来の年金額も下がってしまう可能性があります。この特例は、3歳未満の子どもを育てている間、給料が下がる前の水準で年金額を計算してくれる制度です。つまり、時短で働いても将来の年金額が下がらないように守ってくれます。

これらは勤め先を通じた手続きが必要で、会社によって対応や案内の有無が異なります。申請しないと受けられないものもあるため、必要に応じて人事・総務の担当者に「対象になりますか?」と確認してみましょう。

※免除の範囲や手続きの流れは、日本年金機構「厚生年金保険料等の免除(産前産後休業・育児休業等期間)」に掲載されています。

※この特例のくわしい要件は、日本年金機構「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置」をご確認ください。

フリーランス・自営業・無職の方向け(国民年金)

これまで、育児期間中の保険料免除は会社員向けの制度が中心でした。しかし、2026年10月から、国民年金保険料の育児免除制度が、フリーランス・自営業・無職の方など、国民年金の第1号被保険者向けにも始まる予定です(施行予定の制度のため、内容は今後変わる可能性があります)。

対象:国民年金の第1号被保険者で、子どもを育てている方(実父母・養父母)
免除される期間:父・母のどちらも対象ですが、免除される期間は次のように異なります。
実母:産前産後期間の保険料免除(単胎で4か月間)に続く9か月間(産前産後の免除と合わせて最大13か月間)
実母以外(実父・養父母):子どもを育て始めた月から、1歳になる誕生日の前月まで(最大12か月間)
・免除された期間は保険料を納めたものとして扱われ、将来の老齢基礎年金の額に反映されます

これまで育児中の保険料負担がそのままだったフリーランス・自営業・無職の方にとって、負担を軽くする新しい制度です。開始が近づいたら、日本年金機構の公式情報を確認してみてください。

※施行に向けた最新情報は、日本年金機構「国民年金保険料の育児免除制度(2026年10月から)」でご確認ください。

5. コラム:会社が受けている支援もあります

ここまで紹介した制度のほかに、会社(事業主)が受け取る支援金もあります。たとえば、育休を取りやすい環境づくりに取り組む企業(特に中小企業)向けの助成金などが、国や自治体によって用意されています。

これらは働く本人が直接申請するものではありませんが、「会社によっては、こうした支援を受けて育休制度を手厚くしていることもある」と知っておくと、勤め先の制度を確認するきっかけになります。

まとめ

働くママ・パパが使える主な制度を、申請時期・条件とあわせて整理しました。2026年7月時点で使える(または予定されている)制度の一覧です。

制度申請時期(目安)条件(利用できる人・要件)
出産手当金産休のあと(自分で申請)・出産する本人(ママのみ)
・勤め先の健康保険に加入していること
育児休業給付金育休中(会社経由)・育休を取るママ・パパ
・雇用保険の加入者
出生時育児休業給付金育休のあと(会社経由)・出生後8週以内に育休(産後パパ育休)を取るパパ
・雇用保険の加入者
出生後休業支援給付金(2025年4月〜)育休中(会社経由)両親がともに原則14日以上の育休を取ること(ママ・パパ)
社会保険料の免除育休中(会社経由)育休を取る会社員・公務員(ママ・パパ)
育児時短就業給付金(2025年4月〜)復帰後の時短中(会社経由)・2歳未満の子を育てて時短勤務し、給料が下がったこと
・雇用保険の加入者(ママ・パパ)
養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置復帰後の時短中(会社経由)3歳未満の子を育てる会社員・公務員(ママ・パパ)
国民年金保険料の育児免除制度(2026年10月〜予定)育児期間中(自分で申請)・国民年金の第1号被保険者(ママ・パパ)
・免除期間は実母 最大13か月/実母以外(実父・養父母)最大12か月
※申請時期・方法は制度ごとに異なります(会社を通じて/自分で/年金事務所・自治体の窓口など)。くわしくは各制度の説明をご覧ください。

くり返しになりますが、これらの多くは自分で、または勤め先を通じて申請しないと受け取れません。まずは「自分はどの制度の対象になりそうか」をチェックしてみてください。会社員・公務員の方は人事・総務の担当者へ、フリーランス・自営業・無職の方は年金事務所や自治体の窓口へ相談すると安心です。

これらを知っているだけで、家計の不安は少し軽くなります。使える制度を上手に活用して、安心して育児のスタートを迎えてくださいね。

お金のモヤモヤを解決しませんか

本当に今口座が必要なのかな?
みんなどうしてるのかな?

子ども口座は持っているけど、
とりあえず作っただけ

そんなあなたへのヒントをこちらからチェック

こども口座活用ナビを見る